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夏の釣りで、釣った魚をどう持ち帰るか。ここは毎年悩むところです。
とくにマルイカ(標準和名ケンサキイカ)は、鮮度が命のイカです。甘くて柔らかい、あの刺身の味を家でも楽しみたい。そう思うと、保冷にはこだわりたくなります。
今回は、そのマルイカ釣りの準備として使っている保冷剤、COOLER SHOCK のHARDタイプを紹介します。強く冷やす「HARD STRONG」と、長く保つ「HARD LONG」。この2つを、真夏の屋外で9時間以上かけて検証してみました。
COOLER SHOCK HARDタイプって、どんな保冷剤?
結論から言うと、COOLER SHOCK のHARDタイプは「強く冷やす」と「長く保つ」で役割が分かれた保冷剤です。用途に合わせて組み合わせて使うのが前提の設計になっています。
COOLER SHOCK は、アメリカ発の保冷剤ブランドです。
2026年のモデルから、ハードタイプに2つの系統が加わりました。
- HARD STRONG:強力に冷やすタイプ(約-16℃)
- HARD LONG:長く冷たさを保つタイプ(約-5℃)

HARD STRONGとHARD LONG、何が違う?
いちばん大事なポイントなので、先に整理します。
結論は、STRONGは「強く冷やす」、LONGは「長く保つ」。冷やす力と、冷たさを保つ持久力で、役割が分かれています。
| HARD STRONG | HARD LONG | |
|---|---|---|
| 保冷温度(メーカー公称) | 約 -16℃ | 約 -5℃ |
| 性格 | 強力に冷やす | 長く冷たさを保つ |
| 色 | 青 | グレー |
| 向くもの | 肉・魚など鮮度を守りたいもの | 凍らせたくないもの・長丁場 |
HARD STRONG はメーカー公称で約-16℃まで下がる強力タイプです。肉や魚など、鮮度を落としたくないものを冷やすのに向いています。硬いので、上に物を載せても潰れません。仕切りや土台にも使えます。
HARD LONG は約-5℃を長くキープするタイプです。冷やす強さでは STRONG に譲りますが、長い時間じわじわ効いてくれます。凍らせたくない食材にも向いています。
メーカーも、両方を併用するとより低温を長く保ちやすいと説明しています。つまり、役割分担で組むことが前提の保冷剤なんです。
色で見分けられるのも便利です。青がSTRONG、グレーがLONG。凍らせるときも使うときも、パッと判断できます。
真夏の屋外で、9時間以上冷やし続けてみた
どれくらい冷えるのか。カタログの数字だけでは分かりにくいので、実際に測ってみました。
結論から言うと、自分の環境では、外気が30℃を超えていても、庫内は9時間以上ずっと氷点下で推移しました。
検証の条件
- 日付:2026年7月16日
- 場所:屋外(直射日光は避けた日陰)
- クーラー:シマノ スペーザ リミテッド250(25L)
- 保冷剤:HARD STRONG L×2・M×2、HARD LONG L×1 の計5個
- 中身:500mlペットボトル3本
- 測定:庫内はシンワ測定 デジタル温度計 G-1(隔測式・0.1℃単位)
庫内の温度は、プローブを庫内に入れて本体は外で読む方式で測りました。保冷剤の表面温度は非接触の温度計(ダイワ 水温チェッカーWP)で、外気温は温湿度計で測っています。庫内の温度と、保冷剤そのものの表面温度、両方を記録しました。
庫内の温度推移

| 時刻 | 庫内温度 | 外気温 |
|---|---|---|
| 5:18(設置直後) | 14.5℃ | 26.6℃ |
| 6:04 | -6.8℃ | 約29℃ |
| 7:01 | -6.9℃ | 約31℃ |
| 8:01 | -6.2℃ | 約36℃ |
| 9:04 | -5.6℃ | 34.2℃ |
| 10:05 | -4.9℃ | 31.9℃ |
| 13:32 | -2.5℃ | 32.6℃ |
| 14:01 | -2.2℃ | 33.9℃ |
| 15:00 | -1.8℃ | 34.6℃ |

設置直後は14.5℃。そこから保冷剤を入れて蓋を閉めると、6時ごろには-6.8℃まで一気に下がりました。最低で-7.2℃まで到達しています。
そこからは、外気がぐんぐん上がっていきます。日中は34〜36℃。それでも庫内は、夕方15時の時点でまだ-1.8℃でした。
外は真夏、中はずっと氷点下。この差が、5個体制の力かなと思います。

終わったあと、保冷剤はまだ生きていた
面白いのはここからです。9時間経った15時の時点で、それぞれの保冷剤の表面温度を測ってみました。
| 保冷剤 | 位置 | 表面温度 |
|---|---|---|
| HARD STRONG L(青) | 底 | -17℃ |
| HARD STRONG M(青) | 側面 | 表面に霜 |
| HARD LONG L(グレー) | 上 | -3.8℃ |
| HARD LONG M(グレー) | 上 | +9.6℃ |

いちばん驚いたのが、底に敷いた HARD STRONG L。9時間経っても表面は-17℃でした。公称は約-16℃なので、ほぼそのまま。強く冷やすタイプが、最後まで冷えの土台を守ってくれていた形です。
(計り方によっては-20℃も出ましたが、いちばん高い数値の-17℃を採用しています。)

上に置いた HARD LONG L は-3.8℃。こちらも約-5℃の公称に近い温度を保っていました。長く保つタイプらしい粘りです。
HARD LONG Mだけ、温度が上がっていた理由
ひとつ、表面温度が+9.6℃まで上がっていた保冷剤がありました。HARD LONG M です。

原因を考えると、このMには常温から入れたペットボトル3本が接していたのが大きいのかなと思います。
実際、Mと接していたペットボトルを測ると+5.8℃まで冷えていました。つまり、Mは常温の飲み物を冷やすのに熱を使っていた、ということかなと。

保冷剤の温度が上がっている=力尽きた、ではなく、しっかり仕事をしていた証拠とも言えます。ここは見方が分かれるところですが、面白い結果でした。
裏を返すと、入れるものは冷えた状態で入れたほうがいいということです。次は、真ん中の1本だけでも凍らせて入れてみようと思っています。そのほうが保冷剤の負担が減って、長持ちするんじゃないかなと。
なぜ底のSTRONGは、最後まで冷えていたのか
底の HARD STRONG L が9時間後も-17℃を保っていたのには、理由があると思っています。
ポイントは3つです。
- 底面には真空パネルが入っている(スペーザ リミテッド250の断熱構造)
- クーラーの底は、そもそも冷気が溜まりやすく、地面に接しているので外気の影響を受けにくい
- 保冷剤のすぐ上に冷えキントレーSSが乗っていて、上からの熱を防ぐ蓋の役割をしてくれる
シマノ スペーザ リミテッド250の断熱は、底面と側面の3面に真空パネルを配置した構造です(上ブタは発泡ポリスチレン)。底に真空パネルが入っているのは、今回の検証で効いたポイントかなと感じています。
そこに強力な HARD STRONG を敷いて、上から冷えキントレーSSでふたをする。この組み合わせが、底の冷えを最後まで保ってくれたのかなと思います。

だから5個の配置も、強く冷やすSTRONGを底に、長く保つLONGを上に、という組み方にしています。

予冷はいつから? 「前々日」が安心
保冷剤選びと同じくらい大事なのが、予冷です。ここは一番つまずきやすいところだと思います。
結論は、前々日から冷凍庫に入れておくのが安心です。
HARD STRONG は約-16℃まで下げるタイプなので、しっかり凍らせるのに時間がかかります。船釣りは朝が早いので、前日の夜に入れたのでは間に合わないことがあります。
凍らせる「場所」でも仕上がりが変わる
もうひとつ、実際にやってみて感じたことがあります。
同じ家庭用の冷凍庫でも、凍らせる場所によって仕上がりが変わるんです。
奥のほうと手前、他の冷凍品と接しているかどうか。今回、しっかり凍った保冷剤は-16℃くらいまで下がっていましたが、置き場所によっては-10℃くらいの日もありました。
なので、予冷は「時間」だけでなく「場所」も気にしておくと安心かなと思います。表記の予冷時間ギリギリを狙わず、余裕を持って前々日から。これが失敗しないコツです。
クーラーボックスと冷えキントレーSSも紹介
ここからは、保冷剤と一緒に使っている道具の紹介です。どれもマルイカ釣りで使って、気に入っているものです。
シマノ スペーザ リミテッド250

今回の検証で使ったクーラーです。25Lという容量を選んだのは、自分がいちばん使いそうなサイズだったから。そのサイズの中で、なるべく保冷性能の高いものが欲しくて、リミテッド(3面一体型真空パネル)を選びました。
| 項目 | スペック |
|---|---|
| 容量 | 25L |
| 断熱構造 | 3面一体型真空パネル+発泡ポリスチレン |
| 内寸法(底部) | 21.2×49.2×23.0cm |
| 外寸法 | 30.5×65.7×32.0cm |
| 重量 | 6.1kg |
自分の場合、追い氷をしっかりしておけば、氷が2〜3日は残っていました。釣りすぎたときの一時的な保存場所としても使えるので、そこも助かっています。
冷えキントレーSS

マルイカを冷やすのに、この冷えキントレーSSを使っています。
使い方はこうです。マルイカは基本、上下2枚の冷えキントレーの「間」に入れます。こうすると、保冷剤に直接触れずに、上下からしっかり冷やせます。

保冷剤に直接触れさせないのは、身が凍りついてしまうのを防ぐためです。持ち帰るときはZIPロック袋にも入れるので、二重に安心です。
高いイカだからこそ、身を最高の状態で持ち帰りたい。この配置は、そのためのちょっとした工夫です。
相模湾のマルイカについて
ここまで保冷の話をしてきましたが、そもそもなぜ、そこまで鮮度にこだわるのか。マルイカという釣りものの話を少しだけ。
マルイカ(標準和名ケンサキイカ)は、甘くて柔らかい、美味しいイカです。アオリイカやヤリイカと並ぶ高級イカのひとつで、市場でも高値で取引されます。
自分がマルイカを好きな理由は、シンプルです。

写真の左側に並んでいるのがマルイカ、右の大きいのがコウイカ(スミイカ)です。こうして並べると、サイズ感の違いがよく分かります。
- 身が甘くて柔らかい
- 捌くのが簡単
- サイズがコンパクトで、ちょうど食べ切れる
以前、2kg近いアオリイカを釣ったことがあります。釣れたときは嬉しかったんですが、捌くのがとにかく大変でした。しかも大きいぶん身が少し硬めで、結局その日のうちに刺身で食べ切れませんでした。
その点マルイカは、捌くのがぐっと楽です。スルメイカやヤリイカと同じ系統で、下処理がシンプル。サイズも手ごろで、身は柔らかく甘い。大きめの個体でも硬くなりにくいのがいいところです。
釣って楽しい、捌いて楽、食べて美味しい。この三拍子がそろっているから、マルイカに通っています。
だからこそ、この甘さを鮮度そのまま持ち帰りたい。強く冷やして、身は凍らせず、しっかり冷やす。今回の保冷剤とクーラーの組み合わせは、そのための準備なんです。
おまけ|マルイカ用のタックル
準備編のおまけとして、使っているタックルも紹介します。これからマルイカを始めたい方の参考になれば。

竿:ダイワ アナリスターマルイカ ゼロテン
マルイカ専用の竿です。オモリを底に着けて糸を張らず、竿先でアタリを取る「ゼロテン釣法」向けのモデル。しなやかな穂先で、小さなアタリも見やすいのが気に入っています。
リール:シマノ 25 スティーレ 100XG
今シーズンから使っています。水深80mくらいの深場でも、ブレのないスムーズな巻き心地でした。マルイカは水深がよく変わる釣りなので、巻きの気持ちよさは地味に効いてきます。
これまでいろいろなリールを使ってきましたが、今のところこれが一番しっくり来ています。軽くて、巻きがスムーズで、ガタつきがない。巻き上げの途中で巻きが乱れることも少なくて、そのぶんバラシも減っている気がします(あくまで気がする、くらいですがw)。
オモリ:FUJIWARA スカリー 50号
落下姿勢が安定するオモリです。まっすぐ素直に落ちてくれるので、繊細なマルイカの釣りと相性がいいと感じています。
竿もリールもオモリも、マルイカのゼロテン釣法を意識した組み合わせです。深入りはしませんが、道具が揃うと準備も楽しくなります。
よくある質問(FAQ)
- Q. HARD STRONGとHARD LONG、どちらを買えばいいですか?
- A. 役割が違うので、両方を組み合わせるのがおすすめです。強く冷やしたいならSTRONG、長く保ちたいならLONG。両方を併用すると、より低温を長く保ちやすくなります。
- Q. 使う前に水を入れる必要はありますか?
- A. 不要です。HARD STRONGとHARD LONGは、買ってそのまま冷凍庫に入れるだけで使えます。以前の水注入タイプとは違い、準備が楽になりました。
- Q. 予冷はどれくらい必要ですか?
- A. 前々日から冷凍庫に入れておくのが安心です。とくにSTRONGはしっかり凍らせるのに時間がかかります。前日の夜では間に合わないことがあります。
- Q. 保冷剤は何個くらい必要ですか?
- A. クーラーの大きさによります。今回は25Lのクーラーに5個(STRONG4個・LONG1個)を使いました。強く冷やすタイプを底に、長く保つタイプを上に置くのがおすすめの組み方です。
- Q. どれくらい冷えますか?
- A. 自分の環境では、外気が30℃を超えていても、庫内は9時間以上ずっと氷点下で推移しました。ただし開閉の頻度や中身、予冷の状態で変わります。
- Q. マルイカを鮮度よく持ち帰るコツはありますか?
- A. しっかり締めて、冷やして持ち帰ることが大切です。保冷剤に直接触れさせず、冷えキントレーやZIPロック袋を使うと、身が凍りつくのを防げます。
- Q. COOLER SHOCK は繰り返し使えますか?
- A. はい、繰り返し使えます。使い終わったら洗って、また冷凍庫で凍らせれば次の釣行でも使えます。
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まとめ|強く冷やす×長く保つで、鮮度を持ち帰る
COOLER SHOCK のHARDタイプは、「強く冷やす」STRONGと「長く保つ」LONGの2つを組み合わせて使う保冷剤です。
今回の検証では、自分の環境では外気が30℃を超えていても、庫内は9時間以上ずっと氷点下で推移しました。強く冷やすタイプを底に、長く保つタイプを上に。この役割分担が効いたのかなと思います。
この保冷剤が向いている人
- 釣った魚を鮮度よく持ち帰りたい人
- クーラーの保冷力を底上げしたい人
- 水を入れる手間なく、繰り返し使える保冷剤が欲しい人
準備で気をつけたいこと
- 予冷は前々日から。前日の夜では間に合わないことがある
- 凍らせる「場所」でも仕上がりが変わる
- 入れるものは、なるべく冷えた状態で
甘くて柔らかいマルイカを、鮮度そのまま家で楽しむ。そのための準備が、今回の保冷剤とクーラーの組み合わせでした。
商品一覧
COOLER SHOCK HARDタイプ(使用した5個)
COOLER SHOCK HARDタイプ(その他サイズ)
クーラーボックス・アクセサリー
マルイカ タックル
検証に使った測定機材
※シンワ測定 デジタル温度計 G-1(庫内温度計測)は第1回記事で紹介しています。


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